「メタバースの開発」というとき、言葉としては異なることを指している場合があります。メタバースの「プラットフォーム」そのものの開発と、その中で展開される「ワールドの制作」では、それぞれ全く異なる技術が求められます。この記事では、メタバース開発の主要な技術要素を詳しく解説し、VRChatやFortnite、Robloxなどの具体的なワールド構築ソフトについて紹介します。
メタバースプラットフォームの技術要素
メタバースプラットフォームの開発には、複数の技術要素が不可欠です。これらは多層的に組み合わさり、ユーザーにシームレスな体験を提供します。
- インフラストラクチャーレイヤー：メタバースの土台:このレイヤーは、メタバースの基盤となる部分です。(クラウドコンピューティング、5Gなどの高速ネットワーク、データセンターなど)
- インターフェースレイヤー：メタバースへの入り口: ここは、私たちがメタバースと触れ合う部分です。(VRヘッドセット、ARグラス、スマートフォン、パソコンなど)
- ツールとプラットフォームレイヤー：メタバースの世界を作る: このレイヤーは、メタバース内のコンテンツを作るための道具箱です。(UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジン、3Dモデリングツール、アバター作成ツールなど)
- セキュリティとプライバシーレイヤー：安心・安全のために: メタバース内での安全性を確保するレイヤーです。(ブロックチェーン技術、暗号化技術、認証システムなど)
- 経済システムレイヤー：メタバース内での取引を可能に: メタバース内での経済活動を支える技術です。(仮想通貨、NFT（非代替性トークン）、スマートコントラクトなど)
ワールドを作るための技術とソフトウェア
一方、メタバース上のワールドを作成するには、ゲームエンジンや3Dモデリングツールが利用されます。これにより、クリエイターは独自のバーチャル空間を設計することが可能です。
例えば、VRChatではUnityとUdonSharp(C#に似たスクリプト)を採用しています。これにより、ユーザーは高度なカスタマイズが可能なワールドを構築できます。
Fortniteでは、Unreal Engineが用いられ、ブループリントというビジュアルスクリプティングとC++が組み合わされています。
RobloxはRoblox Studioという独自の開発環境を持ち、Luaというスクリプト言語を使用してゲームやワールドを作成できます。
メタバース開発の具体例
メタバースプラットフォーム開発の成功事例として、Second Lifeが挙げられます。2003年にリリースされたSecond Lifeは、ユーザーが自分のアバターを通じて仮想世界を探索し、コミュニティをつくることを可能にしました。Second Lifeは、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の先駆けとなり、現在も活発に使用されています。また、FacebookのHorizon Worldsは、メタバースの次世代プラットフォームとして注目されています。
まとめ
「メタバース開発」という言葉を聞いたとき、プラットフォームの話なのか、ワールドの話なのか、区別する必要があります。多くの場合は「ワールド」を指しており、それは「メタバース開発」ではなく「メタバースのワールド開発」と言った方がより分かりやすいですね！
